理論は一言一句覚えるのが原則です。原則と言うと例外は?となりますが、もしあなたが税法を自分の言葉で説明して、それを税法に精通した人に読まれても間違いがない文章であると言い切れるのであれば自分の言葉で覚えても良いでしょう。
ただ、現実問題として、それは非常に難しいでしょう。税法を正確に自分の言葉に置き換えるというのは、とても難しいです。同じような言葉であっても意味が違うことがあります。例えば、「及び」と「並びに」、「又は」と「若しくは」、「など」と「等」…。受験予備校がまとめた理論では、これらについて意味をもって使い分けています。
また、自分で条文をまとめると重要な文言が抜けたり、言い回しが間違ってしまう恐れがあります。もし受験予備校の理論でキーワードが抜けていたとしても、その受験予備校の受験生全員が減点です。税理士試験が相対評価の試験ですので、全員が減点であればリスクが小さいです。税理士試験の合格点は60%の正答率ですが、実際の合格率は毎年10%前後で推移しており、得点調整が行われているものと思われます。つまり、全員が間違えた箇所は、合否に影響がない(少ない)のです。
あなた自身で条文をまとめて、あなたの解答だけにキーワードがないのは問題ですが、全員の解答にキーワードがないのはあまり問題にならないのです。
そのため税理士試験では理論を一言一句覚えるように指導されるのです。
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