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なぜ簿記論と財務諸表論から始めるのか

 税理士試験は11科目あり、どの科目からでも受験することができますが、多くの受験予備校では簿記論と財務諸表論から受験することを勧めています。

簿記論と財務諸表論の知識は他の科目でも使う

 税理士試験は11科目の受験科目のうち、どの科目からでも受験することができますが、多くの人が簿記論と財務諸表論から受験を始めます。

 受験生の中には、最初から法人税法などの税法科目を受験する人がいますが、税理士試験の効率的な合格には、一定のルールがあります。このルールは試験機関が定めたものではなく、受験予備校等が、試験内容や過去の実績等から、合格に有利であろうと考えたルールです。
 
 法人税法では、税法上の費用を計算するときに簿記論や財務諸表論で勉強する項目が出てきます。また、具体的な仕訳が出てくることもあります。こういった問題が出題されたときに、簿記論や財務諸表論に合格していれば、未学習の人よりも有利なのは間違いありません。そういったことから、受験予備校の多くでは、税理士試験の最初に簿記論か財務諸表論を受験することを勧めているのです。
比較的合格しやすい
 税理士試験の合格率は概ね10%です。合格率だけをみると科目別に難易度に大差がないように感じますが実際は違います。
 
 税理士試験の受験生の多くが簿記論・財務諸表論(会計科目)から受験をスタートします。そして簿記論と財務諸表論に合格した人が法人税法や所得税法といった税法科目を受験します。つまり、簿記論と財務諸表論の受験生の中には税理士試験初心者の人が多いということです(税法科目には初心者が少ない)。そのため会計科目と税法科目が同じような合格率であっても受験生の質が違うため、実際には会計科目の方が合格しやすいということになるのです。
 
 受験予備校の講師によっては、「会計科目に合格できなければ、税法科目の合格は難しい!」と言い切る講師もいます。もちろん必ずしもそういうわけではありませんが。
 

 
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