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なぜ未経験者は採用され難いのか

 税理士事務所等(税理士法人、税理士事務所)で未経験者の採用をしているところは多くはありません。なぜ未経験者は採用され難いのでしょうか。

実務能力が未知数

 税理士事務所等の仕事は人によって合う・合わないがあります。経験者であれば過去の勤務状況等(担当企業の規模、決算処理の有無など)を聞けばある程度判断できますが、未経験者は性格や雰囲気などの人格要因でしか判断することができません。実務能力が未知数ということは、予定が立たないということです。未経験者を採用しても税理士事務所等が予定する仕事を処理できるかどうかわからないため敬遠されてしまうのです。予定していた仕事ができないのであれば、再度、募集をしなければいけません。
新人教育制度がない
 大手税理士法人は別ですが、殆どの税理士事務所等では一般企業のような新人教育制度はありません。上司や先輩が手取り足取り教えてくれることはありません。あったとしたら絶対に辞めてはいけません。宝くじに当たったレベルです。
 一般的な税理士事務所等では、事務所内での動き方(事務用品の予備・決算書・税法書籍等の場所)をひと通り教えてもらい、あとは用意されている資料等を自分で見て自分で仕事を覚えます。「処理がわからなかったら前期のデータを見てね〜前期の資料はそこにあるから〜」「半年したら決算までお願いね〜」っていうのが普通です。
定着率が悪い
 未経験者は経験者に比べて定着率が非常に悪いです。2倍以上と言っても過言ではありません。ハローワークの求人情報を定期的に見てみるとわかりますが、「未経験者可」と書いている税理士事務所等は大体常に求人が出ています。未経験者可で常に求人があるということは「定着率が悪い」ということです。税理士事務所等で働きたいと考えている未経験者は沢山いるのに対して、未経験者可という税理士事務所等は少ないからです。
実務未経験者はコスト高
 税理士事務所等で一人前に仕事ができるようになるためにはある程度の期間が必要です。完全に仕事を任せるためには最低でも半年は必要です。それまでは主に資料整理や電話当番などの雑用係です(処理が簡単な顧問先の担当はある)。雑用係であっても給料を払わなければいけません。未経験者を採用する場合はこの時期の給料は将来に対する投資と割り切りますが、数ヶ月したら辞めてしまうこともしばしば。辞められてしまえば、雑用係の間の給料は捨てたようなものです(投資失敗)。こういったことから実務未経験者はコストが高いのです。
余裕のある税理士事務所等が少ない
 税理士登録者数は毎年増加しています。これに対して企業数は毎年減少しています。つまり、税理士ひとり当たりの顧問先が減少しており、かつ、昨今のデフレの影響で1社あたりの顧問料も減っています。そのため多くの税理士事務所等では人件費を抑えようと考えています。その中にあって様々な不確実要素のある実務未経験者を採用するかといえば難しいというのが現状なのです。
 

 
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